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なぜ寄せ植えギャザリングなのか②

Atelier S日記

プリザーブドフラワーのレッスンを受けていたころの私は、縁あって正社員採用していただいた会社の経営悪化に伴い失職、派遣業務に従事していました。

お花の手入れは大変だしすぐに枯れてしまうし、生活必需品でもないので無くても困らない。 長い期間きれいだったら経済的だし枯れないのはいいじゃない?そう思ったのです。

その頃、母から両足の手術をするので、半年ほど帰ってきてほしいと連絡を受けました。

派遣業務も契約が落ち着いたところだったので、こんなにまとまった期間実家に戻ることもそうないだろうからと親孝行の一環のつもりで実家へ向かいました。そこで自身の癌を発見することになりました。

今でこそ癌は治る病気ともいわれていますが、結果をいただいた時思わず医師に「いつまで生きられるんでしょう。」と聞いていました。

私の場合は甲状腺がんでしたので、治る見込みがあるともいわれましたが、実際手術をしてみると周囲への浸潤があり、全部取り除くことはできたものの今後も経過観察をしていくことになります。

自宅に戻り、経過観察しながら派遣業務の合間に交通事故に遭遇。

痛みや違和感が日を追うごとに深刻化し、いつの間にか歩くことも困難になっていました。

当たり前のことだけど、いつかは死んでしまう。それが普通の人より近いところにあるだけ。でもそれまでの間、私はずっと歩くことも厳しくこのままなんだろうか。

そんな時、インターネットの中でギャザリングに出会います。

これ、なに?寄せ植え?

土を使わない?じゃぁこれどうやって?どうなってるの?

私の中にある寄せ植えのイメージは、植物を寄せて植えたザ!寄せ植えといった感じのものでしたので、花束のようなそれが寄せ植えの技法だと読んだ時には驚きのあまり、それがどうやってできているのか、どうしてそんな風に植え込むことができるのか、疑問ばかりがわいてきます。

私が一目ぼれしたギャザリングの製作者は福岡にあるアトリエ華もみじの小森先生でした。福岡は関東から遠いので迷いましたが、やらない理由を探すことは容易ですがやっておけばよかったな・・・なんて後悔したくなかったのです。

その勢いのまま福岡レッスンを予約し、ディプロマ生として1年通うことになりました。

どうしたら花束のように寄せ植えることができるのだろう。 それが知りたくて飛び込んだのに、回を追うごとに違ったものも見えてきます。

ぎすぎすした気持ちも土をほぐし、植物を束ね、一つの作品ができるころには不思議と鬱屈した気持ちも和らぎやさしいきもちになります。

ブリコラージュ(好きなものを寄せ集めて作る)する楽しさと、それをイメージ通りに植え込む難しさ・・・。作品に向き合うことが自分に向き合うこととつながります。

誰とも同じにならない、同じでなくていい。自分の好きなものを好きだと表現できる。自分を表現すること。自分を好きになれること。

育てる楽しさ、季節の色どり、植え込んだ時からの華やかさ、癒し。

フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワー、ドライやフェイク、寄せ植え・・・もちろんそれらも奥深く素晴らしいものです。

でも、ほんのちょっとでも物足りなさを感じたなら、私がたどり着いた生きている植物たちとブリコラージュし触れ合うことで得られるパワーや癒しも是非経験してみてください。

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